「科学館」に行ってみよう(2) ― 中央線 荻窪駅からバスに乗る行き方編
杉並区立科学館の最寄り駅は、JR中央線の荻窪駅(おぎくぼ)か、西武新宿線の下井草駅(しもいぐさ)・井荻駅(いおぎ)です。
※荻窪駅には、JR総武線、地下鉄の丸ノ内線・東西線も乗り入れています。
それぞれの駅から歩く人も多いと思いますが(荻窪駅から約20分、下井草駅・井荻駅から20分弱)、荻窪駅北口~下井草駅の間のバスに乗れば、あまり歩かずに行くことができます。
そこで、とてもよくまとまった「荻窪駅からバスに乗る場合の行き方案内」のページ(最終更新2012年9月の情報)をご紹介します。
このページは、科学館で「シアトリカル・プラネタリウム」の公演を長年続けてきたアートパフォーマンス・グループ「雑貨団」さんによるものです。見ていくと、科学館の中の様子も写真でわかりますね(なお、プラネタリウムのある最上階などは、今年4月から立ち入り禁止になっています)。
(ところで)、雑貨団さんの「シアトリカル・プラネタリウム(プラネタリウム演劇)」は、宇宙や科学をテーマにとりいれた、プラネタリウムの星空や映像表現と、演劇やダンスなどを巧みに融合させたアートパフォーマンスです。楽しく笑えて感動もある、とても親しみやすい演劇だと思います。
今年度は、雑貨団の杉並区立科学館での公演は有りませんが、雑貨団さんは関東中心に各地のプラネタリウムで公演されているので、一度ご覧になってはいかがでしょう?
杉並区立科学館の《耐震補強》は、15年前に工事完了しています
《老朽化》をおもな理由として、杉並区が廃止計画を進めている杉並区立科学館ですが、2000年3月(平成11年度末)に耐震補強工事を済ませている建物なのは、みなさんご存知でしょうか?
※工事当時の科学館の名称は「杉並区立科学教育センター」でした(2002年に現在の館名に変更)。
科学館を訪ねてみると、入口の扉にはこんな表示が誇らしげに掲げられていました。
あれ、ちょっと待って下さい。 杉並区から科学館廃止計画が公表されたのは、2013年秋です。ということは、それよりもある程度前(数年前)に科学館の建物の老朽化に関する調査・評価がはじまり、その結果を吟味した上で廃止計画の原案が作成されたはずですが…
本格的な耐震補強工事完了から10年程度で「建て替え or 廃止」を検討しなければいけない程、老朽化が進むものなのでしょうか?少なくとも、今年3月までは、区内の小中学生が学校行事(理科授業)でこの建物を連日利用していたのですが。
さて、杉並区役所の職員も忘れているのかもしれない、15年前の耐震補強工事。杉並区の資料としては、2006年の「杉並区立科学館基本構想策定懇談会(第3回)会議録」 http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/kagakukan_kksk_kaigi03.pdf に、「平成11年度の耐震補強工事」として記述が見られます。
建築設計事務所の資料によれば、この耐震補強工事では、1996年に耐震診断が始まり、2000年3月に工事が完了しています。この期間を考えると、1995年1月の阪神淡路大震災を踏まえ、本格的な改修が行われたことがうかがわれます。
上は、耐震診断と耐震補強設計を行った石本建築事務所の資料です。 http://www.ishimoto.co.jp/library/pdf/17.pdf
本格的な工事のために、当時の杉並区立科学教育センター(現 杉並区立科学館)は、1999年(H9) 8月~2000年(H12) 3月の8カ月間休館していました。天文情報サイトAstroArts(アストロアーツ)の当時のイベント情報には、科学館の休館(一時閉館)の告知が掲載されていました。
アストロアーツ 天文ニュース/1999年7月
「スターウィーク~星空に親しむ週間~夏休み中の全国天文イベント一挙紹介!」各地のイベント(東京)
http://www.astroarts.co.jp/news/1999/07/990728starweek/sw99/index1-j.shtml
昨年度の『科学館要覧』で、科学館の活動を見てみよう
毎年、杉並区立科学館が発行している『科学館要覧(かがくかんようらん)』には、科学館の事業や施設の基本情報、前年度の活動報告(開催事業一覧、利用者数など)がまとめられています。最新版「平成26年度版(2014年度)」は、本文全22ページ(+表紙・目次など、PDF:全 26ページ)の冊子として、昨年8月に発行されています。
科学館要覧は例年、区内小中学校・区立施設など関係者への配布のほか、希望した区民に適宜も配布されていました。近年はPDF版も発行され、公式サイトからダウンロードできるようになっていました。
PDF版の中身を見てみますと、前年度の平成25年度(2013年度)に科学館で、どんな事業が実施され、どのように区民に利用されていたのか、知ることが出来ます。
■『平成26年度 科学館要覧』 編集・発行:杉並区立科学館 *(2014年8月)
(*) 「杉並区立科学館」=杉並区教育委員会事務局 生涯学習推進課 科学館
PDF版を読みたい方はこちらをクリック⇒『平成26年度 科学館要覧』PDF版
(「奥付」(2枚目の画像)によれば「杉並区のホームページからご覧になれます」とのことですが、現在どこから閲覧できるのか不明です。もしも、発行から9か月しか経過していないのに、区の機関が正式に発行し広く公開した”ある種の報告書”が、意図的に非公開にされているのだとしたら、これは異常な事態だと思ってしまうのですが…。もしも、の話ですよ。だって、区が広く公開している冊子ですものね。)
■少し『科学館要覧』の中身をのぞいてみましょう
杉並区立科学館の三大事業は、科学館要覧の目次からもわかるように
1.【児童・生徒のための事業】=おもに小・中学校理科授業の支援
2.【教員のための事業】
3.【区民のための事業】=地域の方の生涯学習のための講座など
となっています。
事業の中心になるのは、1番目の【児童・生徒のための事業】です。とくに「理科移動教室」と呼ばれる、科学館に移動して行う小中学校の理科授業は、科学館要覧7ページをみると、理科移動教室の事業実績は、H25(2013)年度の1年間で、延べ利用回数:266回、利用児童生徒数:19,260人(2万人弱)、の大規模なものだということがわかります。
理科移動教室では、科学館に各小中学校の学年ごとにバスなどで移動し、【実験室での実験・観察授業(80分)】と【プラネタリウムでの天体観察授業(80分)】を組み合わせ、約半日かけて実施されます。科学館には、3部屋ある大きな実験室と、150席以上あるプラネタリウムがありますので、ほとんどの小学校は、1つの学年全員が同時に授業を受けることが出来ます。
この杉並区立科学館の学校連携による「理科移動教室」は、学校側のスケジュール調整やバスの手配など、実施への手間や一定の費用はかかりますが、全国的に有名な先進的で実績のある理科教育プログラムを、区内のすべての子ども達*に確実に学んでもらえる、効果的な仕組みだといえるでしょう。
*区内の私立学校も希望があれば受け入れていたとのことです。
こちらの写真は、科学館の展示ポスター『すぎなみの「理科移動教室」ってしってる?』の一部分です(現在もエントランスホールに展示中)。小学6年生の流水実験場での「流れる水の作用の実験」とプラネタリウムでの「星図を使った星座探し」の様子です。
このポスターは、毎年お台場の日本科学未来館を中心に開催される科学イベント「サイエンスアゴラ」に2013年に出展し、その会場で、杉並区の理科移動教室は非常に高い評価を得たそうです。
■科学館要覧の他のページを見ると…
H25(2013)年度は、一般向けの専門的な講座や、杉並区の交流自治体「北海道・名寄市」との科学を通じた交流事業など(15ページ)、バラエティーに富んだ教育・普及事業が実施されていた、そんな杉並区立科学館の活動の様子が見えてきます。
PDF版を読みたい方はこちらをクリック⇒『平成26年度 科学館要覧』PDF版
3年前の4月28日、科学館で開催「JAXAタウンミーティング in 杉並」
ちょうど3年前の2012年4月28日(土)、杉並区立科学館を会場に「第76回JAXAタウンミーティング in 杉並」が開催されたのをご存知ですか?(覚えていらっしゃいますか?)当日は、高校生以上の参加者113名が科学館の講堂に集まり、宇宙科学について語り合いました。
(上)杉並区広報課 報道向け情報提供資料(2012年4月28日)より
杉並区立科学館では、学校向けの理科学習支援事業のみならず、一般向けの科学教育・普及事業も日常的に実施されて来ました。その中では、こうした研究機関などと連携した事業も多数行われていました。
というわけで、今回はJAXAとの共催事業「JAXAタウンミーティング in 杉並」をご紹介します。
■ 杉並区 イベント情報 - JAXAタウンミーティングin杉並
■ JAXA|第76回タウンミーティング (開催概要と応募方法)
■ JAXA|第76回開催報告 ※ページの一部にリンク切れあり
■ JAXAタウンミーティング・パンフレット(最新版)PDF
(写真)壇上で話しているのが遠藤 守JAXA理事 JAXA 第76回開催報告より引用
JAXAタウンミーティング(以下、JAXA T.M.)では 、開催ごとにスローガン的なタイトルが付けられますが、杉並では「未来への原点・ペンシルロケット ~生誕の地・杉並で宇宙科学を語ろう~」となっていました。
これは、1955年に日本初のロケットとして発射実験が行われた「ペンシルロケット」が設計・開発され、燃焼試験も行われたのが、杉並区内にあった富士精密工業だったことに由来しています。
JAXA T.M.では、JAXAの2名の登壇者から「話題提供(小講演)」があり、それに引きに続いて、会場の参加者と登壇者との間で、話題にちなんだ意見交換が行われました。杉並での登壇者(役職などは当時のもの)・話題は次の通りです。
第一部 遠藤 守 JAXA理事・「ロッケトの今と夢」
第二部 阪本 成一 JAXA宇宙科学研究所 教授・「宇宙に出て初めてわかる地球のこと 日本の宇宙科学のいまとこれから」
終了後には、田中 良杉並区長が会場に駆け付け、JAXA T.M.開催記念品の贈呈セレモニーが催されました。記念品のひとつ「ペンシルロケット・レプリカ」は、2015年4月現在、科学館のガラスケースに展示されています(下の写真)。
@suginamikagaku 2012年4月28日に杉並区立科学館で開かれたJAXAタウンミーティング http://t.co/Yhd2pdAGENの田中 杉並区長 科学館の広報「すぎなみ科学館ニュース」2012年7月号PDF版より pic.twitter.com/mPBzU1Nsj2
— すぎなみの科学ニャン (@suginamikagaku) 2015, 4月 23
(この記事、今後加筆予定。申し訳ありませんが、しばしお待ちください。)
「科学館」に行ってみよう(1) ― 周辺を散策しながらがオススメ
杉並区立科学館の周辺は住宅街ですが、緑や水辺があって散策を兼ねて出かけるのにいい場所です。 ⇒ 科学館の周辺の地図(Google マップ)
杉並区立科学館を訪れるなら土曜がオススメ。日曜祝日は休館。斜向かいの妙正寺公園の噴水池、妙正寺川の遊歩道と合わせてイイ散策コースですよ。https://t.co/HVRUqrHwKh 小柴さんの展示も公開中。 pic.twitter.com/J5sBvwmosr
— すぎなみの科学ニャン (@suginamikagaku) 2015, 4月 25
斜向かいの「妙正寺公園(みょうしょうじこうえん)」は大きな池・妙正寺池があり、木々や花も多い公園です。ベンチでゆっくり過ごすことも出来ます。遊歩道のある妙正寺川の上には、GWの期間中、鯉のぼりが泳いでいます。
(上左)妙正寺公園 (上中)妙正寺池とツツジ (上右)妙正寺川 (下)妙正寺公園から見る科学館
また(小学校が近くにあることもあって)、休日、平日夕方は公園や遊歩道に子ども達のはしゃぎ声が響き、いい意味でにぎやかで、いい雰囲気です。
※くり返しになりますが、科学館は日曜・祝日が休館日です。お気をつけください。くわしくは杉並区のこちら《杉並区 施設案内 - 科学館》のページでご確認を。
杉並区議会での科学館に関するやりとりはすべて、区議会のサイトにて動画で公開中
杉並区議会の本会議録画中継(動画)をご覧になったことはありますか?いつでも録画映像を、ネット上の動画で見ることができます。(会期中は生中継)
http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/vodtop.htm
今年2月~3月に開催された「平成27年 第1回定例会」では、 2月13日の「一般質問」で、杉並区立科学館についての質問が行われました。
科学館の質問が行われた、2月13日の「一般質問」の録画中継はこちら ⇒
http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/27-01/270213.htm
下記の4本を、「録画中継」のページ上で選んで再生してみて下さい。質問は長めなので、科学館に関する部分を調べておきました。※直接リンクにはなっていません。
◆質問「科学館について」
横田政直(日本を元気にする会)議員の5問の質問(約13分間)
の中の 10分30秒ごろ~(約2分30秒間)
◆答弁(回答)
杉並区役所・生涯学習スポーツ担当部長(約1分間)
◆再質問
横田政直(日本を元気にする会)議員の再質問(約3分間)
の中の 2分30秒ごろ~(約30秒間)
◆再質問への答弁(回答)
杉並区役所・生涯学習スポーツ担当部長(約1分間)
ほかにも様々な質問など区議会本会議の様子が、動画で公開されていて、興味深いです。