杉並区立科学館の情報のまとめ

杉並あたりの人々に半世紀ちかく愛されてきた「科学館」の情報を、今後の存続問題を中心にまとめていきます。ときどき、科学・宇宙・自然の情報もまぜていきます。みなさま、どうぞよろしく☆

昨年度の『科学館要覧』で、科学館の活動を見てみよう

毎年、杉並区立科学館が発行している『科学館要覧(かがくかんようらん)』には、科学館の事業や施設の基本情報、前年度の活動報告(開催事業一覧、利用者数など)がまとめられています。最新版「平成26年度版(2014年度)」は、本文全22ページ(+表紙・目次など、PDF:全 26ページ)の冊子として、昨年8月に発行されています。

f:id:suginami-kagakukan:20150510132947p:plain f:id:suginami-kagakukan:20150510141800p:plain

科学館要覧は例年、区内小中学校・区立施設など関係者への配布のほか、希望した区民に適宜も配布されていました。近年はPDF版も発行され、公式サイトからダウンロードできるようになっていました。

PDF版の中身を見てみますと、前年度の平成25年度(2013年度)に科学館で、どんな事業が実施され、どのように区民に利用されていたのか、知ることが出来ます

■『平成26年度 科学館要覧』  編集・発行:杉並区立科学館 *(2014年8月)

 (*)  「杉並区立科学館」=杉並区教育委員会事務局 生涯学習推進課 科学館

PDF版を読みたい方はこちらをクリック『平成26年度 科学館要覧』PDF版 

(「奥付」(2枚目の画像)によれば「杉並区のホームページからご覧になれます」とのことですが、現在どこから閲覧できるのか不明です。もしも、発行から9か月しか経過していないのに、区の機関が正式に発行し広く公開した”ある種の報告書”が、意図的に非公開にされているのだとしたら、これは異常な事態だと思ってしまうのですが…。もしも、の話ですよ。だって、区が広く公開している冊子ですものね。)

 

■少し『科学館要覧』の中身をのぞいてみましょう

杉並区立科学館の三大事業は、科学館要覧の目次からもわかるように

1.【児童・生徒のための事業】=おもに小・中学校理科授業の支援
2.【教員のための事業
3.【区民のための事業】=地域の方の生涯学習のための講座など

となっています。

事業の中心になるのは、1番目の【児童・生徒のための事業】です。とくに「理科移動教室」と呼ばれる、科学館に移動して行う小中学校の理科授業は、科学館要覧7ページをみると、理科移動教室の事業実績は、H25(2013)年度の1年間で、延べ利用回数:266回、利用児童生徒数:19,260人(2万人弱)、の大規模なものだということがわかります。

f:id:suginami-kagakukan:20150510133941p:plain

理科移動教室では、科学館に各小中学校の学年ごとにバスなどで移動し、【実験室での実験・観察授業(80分)】と【プラネタリウムでの天体観察授業(80分)】を組み合わせ、約半日かけて実施されます。科学館には、3部屋ある大きな実験室と、150席以上あるプラネタリウムがありますので、ほとんどの小学校は、1つの学年全員が同時に授業を受けることが出来ます。

この杉並区立科学館の学校連携による「理科移動教室」は、学校側のスケジュール調整やバスの手配など、実施への手間や一定の費用はかかりますが、全国的に有名な先進的で実績のある理科教育プログラムを、区内のすべての子ども達*に確実に学んでもらえる、効果的な仕組みだといえるでしょう。

*区内の私立学校も希望があれば受け入れていたとのことです。

f:id:suginami-kagakukan:20150510155604j:plain

こちらの写真は、科学館の展示ポスター『すぎなみの「理科移動教室」ってしってる?』の一部分です(現在もエントランスホールに展示中)。小学6年生の流水実験場での「流れる水の作用の実験」とプラネタリウムでの「星図を使った星座探し」の様子です。

このポスターは、毎年お台場の日本科学未来館を中心に開催される科学イベント「サイエンスアゴラ」に2013年に出展し、その会場で、杉並区の理科移動教室は非常に高い評価を得たそうです。

 

■科学館要覧の他のページを見ると…

H25(2013)年度は、一般向けの専門的な講座や、杉並区の交流自治体「北海道・名寄市」との科学を通じた交流事業など(15ページ)、バラエティーに富んだ教育・普及事業が実施されていた、そんな杉並区立科学館の活動の様子が見えてきます。

f:id:suginami-kagakukan:20150510133931p:plain

PDF版を読みたい方はこちらをクリック『平成26年度 科学館要覧』PDF版